個人事業主がいざ開業しようとするとやることがたくさんありすぎて、銀行口座を作るの忘れてた！なんてことにならないように、最初にサクッと作ってしまいましょう、という話です。
まずは銀行口座を作ろう
個人事業主が事業を始めるぞ！と思ったら、店舗や事務所の契約をしたりホームページ作成の外注先を探したりなど、開業までに準備することがたくさんあってドタバタしてしまうことが多いので、必ず必要になる銀行口座をまずは作ってしまいましょう。
例えば商品販売業を始めた方が商品の売上代金を受け取ろうとしたときに、その受け皿となる銀行口座がないとどうしようもありません。
売上先から「代金の振込口座を教えてください」と聞かれて、「まだ口座はないんです」では信用がなくなってしまいますから。
同様に商品の仕入代金の振込や家賃などの経費の引き落としをする時にも、銀行口座を指定しなければなりません。
なので最初に事業用の口座を作ってしまいましょう。
それならすでに持っているプライベート用の銀行口座を事業用に使えば良いじゃないか、と思いますよね。
でもこのプライベート用の銀行口座を事業用として使うのはやめましょう。
一つの口座でプライベートの取引と事業の取引を行うと、取引がごちゃごちゃになってワケが分からなくなり、業績を把握するのが大変になります。
また、プライベートの経費を事業の経費として計上してしまうミスも起こりやすくなるので、それをチェックするために取引を一つ一つ確認しなければならなくなり、余計な時間がかかることになります。
さらに、クラウド系の会計ソフトに銀行口座の取引を自動で取り込む場合などを考えると、やはり事業用の口座を作るほうが良いと思います。
事業用の銀行口座を一つ開設して、事業に関係のある取引はすべてこの口座を通すようにしましょう。
で、生活費が足りなくなったら、必要に応じて事業用の銀行口座からプライベート用の銀行口座に資金移動すればOKです。
どこの銀行で口座開設する？
銀行探し
じゃあ、どこの銀行で口座を作るのが良いの？って話です。
グーグルマップで近所の銀行を検索すると、メガバンクから信用組合まで出てきて、どこで口座を作ろうかと迷ってしまいますよね。
そんなに都会ではないところに住んでいる私でも、周りにはメガバンク２つ・地方銀行３つ・信用金庫1つ・信用組合1つ、支店があります。
そんな中から選ぶとしたら、私は地方銀行をオススメします。
地方銀行はその地域に密着した経営を行っているので、比較的規模が小さい個人事業主の経営を支援してくれますし、渉外係(外回りの営業担当の人)はフットワークが軽いことが多いので、いろいろ相談に乗ってくれることが多いです(担当者によりますけど)。
その代わりというわけではないですが、渉外係とある程度気心が知れてくると、投資信託や定期預金などをお願いされることもあると思います(だいたいノルマに追われてるハズ)。
こういうことにお付き合いしておくと、お得な情報を教えてくれたり、何よりいざ借入をするときに協力先として判断してくれたりするので、できる範囲で良いので協力しておくことは意外と大事です。
ちなみにすでにプライベート用の個人口座を持っている銀行だと、二つ目の個人口座は作れないことが多いです(念のため銀行に確認を)。
おそらく一つの都道府県で二つ以上は地方銀行があると思うので、プライベート用の口座がある銀行以外のところで事業用の口座を作成しましょう。
仮に多少支店が遠い場所にあっても、口座開設はネットから申し込むことができますし、あとの取引はネットバンキングでほとんどできてしまうから、気にしなくて良いと思います。
ただ隣の市区町村にある支店など、開業する場所や自宅からあまりに遠い支店だと口座の作成を断られたり、近くの支店を紹介されたりする可能性があるので、ご注意ください。
もし近くに地方銀行がない場合には、信用金庫をオススメします。対応は地方銀行と同じような感じですので、いろいろ相談に乗ってくれると思います。
私も事務所を開業するにあたって、某地方銀行で事業用の口座を作りました。
借入の相談は？
事業をやっていると銀行から借入をしなければならなくなることがあると思います。
これが結構重要で、借入をしたいと思ったときにフットワークが重い銀行だと、場合によっては命取りになりかねません。
地方銀行ならフットワーク良く対応してくれるところが多いですし、仮に少ない借入金額でも親切に相談に乗ってくれます。
ちなみにメガバンクは文字通り「メガ」なので、基本的に大企業を相手に商売をしており、事業規模の小さいことが多い個人事業主にとっては敷居が高く感じられると思います。
特にメガバンクが個人事業主に対してプロパーで貸すということはほとんどないので、まずは保証協会付きの借入になると思いますが、それならどこの銀行で申し込んでも同じなので、メガバンクにこだわる必要はなくなります。
少し前の話ですが、あるメガバンクは新規で口座開設は一切うけつけません！というスタンスでした。
今もそうなのかはわかりませんが、口座が作れなければ借入もクソもないですから。
このように借入のことを考慮しても、地方銀行がベストな選択だと思いますよ。
ついでにクレジットカードも作ろう
事業用の銀行口座を作ったら、ついでに事業用のクレジットカードも作ってしまいましょう。
事業に関係する経費の支払いをクレジットカードで行えば、極力キャッシュレスで経理を行うことができます。
さらにクレジットカードの引き落とし口座を事業用の銀行口座に設定すれば、売上代金の入金・仕入代金の支払い・経費の支払いがすべて一つの口座で把握できるようになるので、事業のお金の流れが通帳一つで管理できますし、現金での支払いを減らすことで経費の計上漏れなども防ぐことができます。
ポイントは銀行口座、クレジットカードともに、プライベートと事業とで分けることです。
まとめ
・できれば地方銀行で事業用の銀行口座を作ろう
・事業用のクレジットカードも作ろう
・事業は事業、プライベートはプライベートで分けよう
